将来、経営者やマネージャーを志望する京大生が多いと思います。そのような方は、事業会社を新卒で志望するか投資銀行や戦略コンサルティングファームを志望すると思います。その中でも前者の学生であれば事業開発という仕事について興味を持つのは必然だと思います。経営者のように事業会社で働くことができるポジションだからです。
ただ事業開発職と聞くと
・事業を開発する部署?具体的にはどんなことを行う部署なの?
・新規事業室と何が違うの?
・事業開発職で培った経験や能力が会社経営にどう活きるの?
などの印象を抱くと思います。
今回は、その事業開発職の仕事内容やキャリア形成における影響を調べてまとめてみました。
1.事業開発職の仕事内容
【主な職務】
本業との相乗効果が見込める新規事業のほか、異業種、成長市場への新規参入を含むビジネスプランを立案する。新規事業の収益化を目指し、事業コンセプトの確立から社内体制の確立まで、新規ビジネスの実現に向けて尽力する。
【担当領域】
- ビジネスデータの収集と分析
- 事業コンセプトの確立
- ビジネスプランの設計と実行・推進
- 資金計画の設計
- 社内体制の整備 など
参照:https://www.careerinq.com/industry/planning/research/009135.shtml
どうやらハイキャリアの転職斡旋を手掛ける会社様の定義によれば上記のようです。メガベンチャーや事業会社の現場の方達の意見はどうなのでしょうか?
トレタ代表取締役中村さんの定義
”事業開発を一言で表すと、「事業未満」を「事業」に変えることです。サービスやプロダクトを作っている過程で、「機能が足りない。ユーザーが足りない。連携が足りない。販路が足りない」などといった色んな足りないものがでてくる。そんな、一人前の事業を育てるために足りないものを発見し補うことだと考えています。”
上記のようなものだそうです。
トレタやメルカリ、マネーフォワードなどの事業開発者が集まったイベントがあり、そちらに各企業の事業開発の定義が載っていました。
https://careerhack.en-japan.com/report/detail/672
メルカリの事業開発の定義
”メルカリでは事業開発を「外部の事業者様との結びつきにより事業を拡大していくこと」と定義をしていますね。具体的には「既存事業の拡張」「新規事業の開発」と「ビジネス・パートナーシップ」「アライアンス」「M&A」この掛け合わせ”
プロダクトやサービスが一定伸びきり外部の事業者との提携を必要とされる大企業やシリーズC段階のスタートアップになると事業開発=外部の事業者との提携で新規事業を作ったり機能を開発したりする職業のようです。
サービスが伸びきっていない会社においては新たにサービス企画や調査が求められる為、事業開発職には外部の事業者との提携に必要な営業力とは別の能力が必要のようです。
詳しくはこちらの記事をお読みください。
https://careerhack.en-japan.com/report/detail/672
またベルリンでプロダクトマネジメントを行っているAKIRAさんが事業開発(BizDev)についてまとめてくださったmediumの記事を発見しました。それによれば以下のような定義のようです。
ベルリンでPdMやっているAKIRAさんのBizDevの定義
- KPI/目標を設定する
- 1を達成するために何ができるかアイディア出し
- アイディアが実現可能かリサーチ&検証
- 事業としてGOサインが出せるか経営陣を説得
- セールスとして業務提携、社内他部署との折衝
- スペック、マニュアル作り
- チーム設計・採用
- PMとなりローンチするまで舵取り
- ローンチ後に1を達成できたか検証
- 次にできるネタを探すw
ここに上げた業務以外の法務リーガル、コンプライアンスが絡んでくるのはもちろんのこと。
https://medium.com/@akira_ca/bizdev-12095bd94ba
英語版Wikiでのビジネス・デベロップメントに必要な能力
英語版Wikiではビジネス・デベロップメントに必要な能力に関して下記のように定義しております。
- Sales
- Finance
- Marketing
- Mergers and acquisitions
- Legal
- Strategic management
- Proposal management or capture management
やはり事業開発職に求められる能力は、事業のフェーズにより多岐にわたり総合力が求められるようです。
http://ryan0501.hatenablog.com/entry/2015/09/11/080000
2.どうすれば事業開発職につけるのか?
では、そのような総合力が求められる事業開発職につくためには何が求められるのでしょうか?まず実際に事業開発職についている方についてまとめてみました。下記の5人の方です。
#Airbnbやtujiaとの業務提携や民泊事業を手がけるRelux Global事業部長の河村さん
https://www.wantedly.com/companies/lcp/post_articles/78908
#NEWSPICKS 創業期インターン→取締役の坂本さん
https://www.fastgrow.jp/articles/newspicks-sakamoto
#dely奥原拓也
https://www.fastgrow.jp/articles/dely-okuhara
⁃ 施策の工数を把握し、余裕を持たせてプロジェクト進行することもPdMの役割
⁃ 自分が思考してその意思決定に至った理由を、文章に落とし込んで伝えるのに苦労した
⁃ 業務の大半は、部署間の調整や、認識のすり合わせだ。方々からの要望を聞いて調整を進め、最終的にどの施策を優先するかの決断は奥原氏が行なっている
#ドクターズプライム高橋京輔
https://www.fastgrow.jp/articles/drsprime-takahashi
サイバーエージェントUS→メルカリ→COOとして起業
#キラメックス社長(ユナイテッド子会社社長)
https://www.fastgrow.jp/articles/united-higuchi
エンジニアから事業開発職につく方もいれば、商社から転職してつく方もいらっしゃいます。ソフトウェア産業であればPMから事業開発につく方もいるようです。キャリアは多岐にわたっており、そのビジネスサイドの自身の持ち場で頭角を表すことが重要のようです。
3.事業開発を経験することでのキャリアへの影響
事業開発を経験することでのキャリアへの影響について事業開発と言えないかもしれませんが、参考になるブログがありました。
IT/ソフトウェア業界でのビジネス職キャリア
京大→DeNA→戦略コンサルのキャリア論ブログ
http://ryan0501.hatenablog.com/
上記ブログです。
スタートアップに転職する前にメガベンチャーを経由した方が良い理由
-戦略ファーム→事業会社へ降りてくる天竜人
-メルカリのような上場したてのSO貰えないメガベンチャーへの転職理由’
ビジネス・デベロップメントとは何か?
http://ryan0501.hatenablog.com/entry/2015/09/11/080000
といった我々、京大に通う就活生にとって参考になる記事があります。
営業→事業開発→戦略コンサルファーム
PM→事業開発→起業
マーケター→事業開発→マネジャー
など主にマネジメントに携わるキャリアへの移行ができる模様です。
ぜひ参考にしてみてください。